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人事制度は世につれ、人につれ : 続編

~ これからの日本に必要な人事制度における、あるべき総人件費決定の仕組み ~【第3回】

 

「自社の付加価値構造を見つめる」

2009年10月26日

株式会社みのり経営研究所 コンサルタント 齋藤 英子

 

今回は、付加価値のあるべき分配構造を探すための第1ステップとして、自社の付加価値構造を見つめたいと思います。

 

自社の付加価値構造がどうなっているのかを確認するのですが、その前に、付加価値の算定方法を一緒に見てゆきましょう。

 

付加価値の算定は、加算法と控除法の2種類があります。加算法とは、人件費と企業維持費と利益を足したものを付加価値とする考え方です。ここの企業維持費とは、人件費以外の諸経費、金融費用や賃借料、減価償却費、租税公課といったものです。これに対して、控除法とは、売上高から外部購入価値を差し引いたもの全てを付加価値とする考え方です。

 

 

これを図示すると上記のようになります。皆さん、もうお分かりと思いますが、計算方法上は、どちらをとっても同じ結果になるようになっています。しかし、実際に計算すると、数値としては若干変わってきます。これは、外部購入価値の数値の取り方の違いや、企業維持費の考え方の違いなど、色々な取捨選択部分が積み重なるからです。

 

それでは、加算法と控除法のどちらをとるべきか?これは、その目的によって、どちらでも良いのです。ただ、本連載のテーマである総額人件費管理のためには、控除法を使用しています。これは、人件費は付加価値の分配であるということを明確にしたいからです。みんなで付加価値を分配しようと経営と社員で話すときに、付加価値は人件費とその他コストを足してゆけばよいのかと思われてしまいたくないからです。

 

それでは控除法で自社の付加価値構造を算定してみましょう。自社の損益計算書で、売上高から外部購入価値を引いてください。外部購入価値は、材料費や外注費といった、自社の製品/商品の元となるもので、自社で関与した部分でないものです。製品原価明細書や商品原価明細書がある場合には、その中から、人件費を抜いた部分が外部購入価値に入ります。商業やサービス業の場合には、仕入原価と荷造運送費程度が外部購入価値になることが多いです。

 

これで付加価値総額が出ました。あとは、この付加価値総額を、人件費と企業維持費と経常利益に分けてしまいましょう。そして、付加価値を分母にして、各々の率を出すことで、自社の付加価値構造が得られます。

 

図

図

 

 上記の棒グラフはある会社の付加価値構造の例です。利益率がかなり良いように見えます。しかし、自社だけで考えていても、なにをどう判断してよいのか、見当がつきません。

 

そこで、次回は、他社の付加価値構造と比較して、自社の付加価値構造がどうなのかを分析してみましょう。

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