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グローバル標準の人事制度の効用


 

前回、グローバル化した経営を支える、グローバルに通用する人事制度とはどのようなものかについて考察しました。それは: 【1】国籍、性別、年齢等にかかわらず、地球上のどこででも力を出してくれる人々が、活き活きと働いてゆける人事制度であり、 【2】誰にでも分かり易く、論理の道筋がきちんと見える制度であり、 【3】会社から社員へ、上司から部下へ、説明することのできる人事制度 でした。

そして、そのためには、一人ひとりに期待されている仕事を明確にした制度が必要でした。しかし、このグローバル標準の人事制度は、なにもグローバル化する企業だけに必要なものではないのです。なぜならば、仕事を明確にした人事制度の効用には、グローバルに通用するという以外にも、以下のような効用があるからです。

(1)これまでの日本型人事制度の弱点を取り除く効用: これまでの日本型人事制度は、能力資格制度で、人の能力を等級づけした制度です。能力という把握しにくいものをあえて定義づけし、ランク付けしているところから、上記で述べた3点、【1】多様な人々の力を引き出すことができること、【2】分かり易いこと、【3】説明しやすいこと、が難しいのです。

(2)人事担当者の意識を変革する効用: これまでの日本型人事制度にどっぷりと浸かった人事担当者には、どうしても、実力主義=能力主義=能力等級という図式が頭から離れません。したがって、少し前に流行した、いわゆる成果主義もこの図式の中で結局、能力等級のままで導入してしまい、機能不全に陥ったのです。このような人事担当者の頭から、この図式を取り外し、真に社員が活き活きと働くことを支える人事制度へ、意識を変革することができます。

(3)人事が経営のパートナーに変身する効用: 人事にとって、全社員の仕事を明確化するということは、経営者の視点に立って、企業理念・ビジョン・経営戦略を実現するために何が必要なのかを真剣に考えることから始まります。そのような人事を経験した人事部員は、経営戦略から人事戦略を考えることができる、社長の力強いパートナーとなります。

(4)社員にとっても、何が評価され、どうすればよいのかが明確となり、働く意欲が向上する効用: 社員にとって、自分に何が求められていて、何をどこまでやればどのような評価となり、その評価結果が何を自分にもたらしてくれるのかが、はっきりとわかることによって、仕事に対する意欲が向上します。

たとえ、海外展開をしていない、そしてこれからも、しないであろう企業も、社員一人ひとりの力を十分に出し切ってもらうことは、経営にとって永遠のテーマです。そのためには、それを可能とする人事制度が必要なことは言うまでもありません。多くの日本企業がグローバル標準の人事制度の効用を活用して、元気な企業になることを願うものであります。

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