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みのりセミナー「働き方改革を支える人事制度の全体像」開催結果報告


 

6月8日午後1時半より4時まで掲題セミナーを開催致しました。参加頂いた方々には改めてお礼申し上げます。毎回多数の方にご参加頂き、改めて役割に基づいた人事制度への関心の高さを感じさせられました。特に近年の参加者は単なる知的好奇心からだけではなく、実際の会社経営の中に役割に基づく人事制度を生かそうとする姿勢が感じられ、大変心強く感じました。

今回は副題として「生産性向上を支える人事制度」と銘打って、生産性とのつながりを強調しましたので、余計関心を持たれた方が多かったのかもしれません。内容としては弊社が提唱する「みのりコンセプト」に基づく人事制度構築の基本的なプロセスを説明させて頂きましたが、導入部分で労働生産性との関係に触れました。主要国における日本の労働生産性の位置づけの低さは既に広く知られていますが、その向上策に関してはインプット(投入資源)としての労働時間の短縮にばかり焦点が当たっていること、生産性向上には単に分母のインプットを減らすだけでなく、分子にあたるアウトプット(産出)を増大させることが重要であることを指摘させて頂きました。アウトプットの増大を単に売上とか利益とかに単純化して考える傾向にありますが、最終的に売上・利益につながるのは顧客との信頼関係であり、顧客に提供する製品・サービスの魅力であり、そしてそれを生み出す社員の成長です。これらの明確なつながりを社員一人一人が認識し、前向きに取り組んでいくことを促し支えるのが人事制度です。残念ながら多くの日本企業の人事制度はこのようなメカニズムを組み込んでおりません。相変わらず社員の学歴・性別・能力・年功などの属人的な要素に依存する人事制度を採用している企業が多いのが現実です。みのりコンセプトは一人一人の社員の役割、すなわち生み出すべきアウトプットを基盤とした人事制度の構築を推奨しています。

セミナーの後多くの参加者から質問・コメントを頂きました。既にこの考え方で人事制度を導入しようとして、かなり具体的な対策に関して質問される方がおられた反面、仕事・役割に基づく人事制度の基本的な特徴に関する質問もあり、まだ理解が行き届いておらず、我々の情報発信の力不足を感じさせられました。その典型的な反応のひとつとして「役割重要度測定」のプロセスが挙げられます。これは社員の役割を会社の理念・戦略に基づき定義していった後、その定義に基づきそれぞれの役割の重要度を測定するというプロセスです。人事制度として給与等級を作ることは理解されていますが、その等級の基盤が役割にあることに驚かれる方が多いのです。日本的な人事制度では社員の年齢・在籍年数・能力などで等級を決めることが多いので、違和感があるのかもしれません。しかし会社を一生を過ごす共同体ではなく、顧客に製品・サービスを提供して利益を得る機能体として捉えれば、社員の報酬を決める等級が機能体を支える仕事・役割に基づくのは当然の理屈です。また報酬はその定義された仕事・役割をどの程度果たしたかで決まるのであって、その社員の属性で決まるのでないことは、多様な社員がそれぞれの特性を生かして、会社の業績向上に貢献する基盤ともなります。人事制度における等級は人の序列ではなく、仕事・役割の序列であることを経営者・社員とも認識すべきだと考えます。

ここ何年かはセミナーを通じて役割に基づく人事制度構築を始められる企業もあり、会社の業績向上・社員の動機付け向上に確かな手ごたえを感じて頂けているようです。毎年二回このようなセミナーを開催して、役割に基づく人事制度の理解を深めていく情報発信を続けています。多くの日本企業にとってこれからますます必要となる考え方であると確信しております。次回セミナーも10月に予定しており、テーマとしては要望の多い「評価制度」に焦点を当てたセミナーにしようと考えています。ご興味おありの方は是非参加してください。

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