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【第11回】対立関係をダイバーシティーの視点から見る-続き 


 

B型の対立関係をもう少し詳しく見てみる。深刻な対立関係にある場合、あなたの反応・対処の仕方はどのようなものだったでしょうか?気付かずに自分は正しいと思い込んでいることが多いのではないでしょうか?相手に非があり、それを正そうと努力する。反論にあうと批判されていると感じる。余計意固地になり相手のあらを探し、相手を論破しようとする。多くの管理職は時間の制約の中で仕事を進めており、自分の考え方を修正しなければならないような議論は避けたい。そこに新たな展開の芽が潜んでいても、大切なのはすぐ結論を出し、行動を起こすことだと考える。その結果として対立関係が悪化したとしても、それは相手が悪いのであって、自分は被害者である。相手が自分の考え方を理解できない限り、問題は解決しないと。

相手が自分と同じ考え方をすると信じている場合(例えば自分と同じ出身校、同性、同世代、入社以来同じ組織、日本人等々)、展開は全く異なる。自分の意見と異なる言動があった場合、「驚く」ことはあっても、「怒り」「拒否」の状態に行く前に相手の主張を吟味してみる。自分の意見との違いを精査する。相手のやり方の中に何か取り入れるべきものを探す。お互いが納得できる解決策を探そうと努力する。ひょっとしたら自分が間違っている、あるいは足らない部分があるかも知れないと考える。相手を非難する前に、自分を振り返ってみる。時間的な制約があるとしても、大切なのはその関係を維持することであり、お互いにとってより良い解決策を探さなければならないと考える。結果として新しい展開の可能性が期待でき、より良い成果へと繋がる。これはA型の対立関係である。

この違いの出発点は何か?自分とは異なる言動に接したとき、あるいは自分の知らない事象に遭遇したとき、A型の関係にある場合は「何故だろう?何か自分の知らないことがそこに潜んでいるかもしれない」と考えられる点だ。これに対しB 型はこの対極にある。「それは間違っている。なぜなら、、、」と自分の知っている考え方、型に押し込んでしまう。管理職になるような人は、過去の成功体験に基づき、自分の中に世界を見るための様々なフィルター(認識フィルター)を持っている。これを通して世の中を見、判断を下している。このフィルターは経験を重ねながら変化していくものでもある。仕事のやり方ひとつとっても様々な試行錯誤を繰り返し形成されてきたもので、入社時代から比べて大きく変化していることに気付く。しかし同質的な組織で働いてきた人にとって、異質なものに対するフィルターには多くの場合偏りがあり、それはそのまま放置されていることが多い。フィルターが試行錯誤により高度化される機会が無かったとも言える。このようなフィルターを持っている管理職が、自分とは異質な同僚あるいは部下の異なる言動に接したとき、「驚き」から簡単に「怒り」やさらには「拒否」の状態に陥る傾向が強い。

型の対立関係からA型の関係に移行する第一歩はこの構造に気付くことである。自分の考え方に固執することが対立関係を生んでいることに。そして理解できない言動に接したとき、簡単に結論を出す前にまず一呼吸置くことである。既に「怒り」や「拒否」の段階に達していると判断される場合は特にそうである。そしてその相手との長期的関係について考えてみることである。その人と長期的にどのような関係を築こうとしているのか?対立関係が深刻であればあるほど、実はその相手との関係が重要な場合が多い。その相手に対する期待が大きいともいえる。その相手と長期的なパートナーシップを築いていきたいと考えるならば、「自分が正しい」という考え方から脱却することが大切である。どちらが正しく、どちらが間違っているかは問題ではない。答えはひとつではない。世の中には様々な考え方があり、それはいいことである。そのような多様な考え方から、自分自身のものの見方・考え方をさらに高度化することが可能だからである。こう考えて、相手を受け入れられる状態になって初めて、A型の関係 に移行できる。

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