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インド・日本間の人材交流プログラム ~その後の進捗とこれからの展開~




2025613日発表のプレスリリース「インドのタパール工科大学(TIET)とみのり経営研究所(みのり)がインド・日本間の人材交流プログラム実施のための覚書を締結」に興味を持っていただいた日本企業とみのりは、TIET学生の短期インターンシップ受け入れに関して具体的な進め方を検討し、トライアルとしてインターンシッププログラムを実施することと致しました。


本件はプレスリリースの中でも触れましたが、「工学系分野での知的資産と人的ネットワークを基盤としつつ、社会科学や経営管理分野でも幅広い素養を身につけた人材を育成する」というTIETの方針を踏まえ、日本における高度人材確保の新しい道を開くこと、そして長期的にはインド・日本両国の関係強化に資することを視野に入れた壮大なプロジェクトと位置づけております。


TIETは工科大学としての強みを持ちながらも、2020年にリベラルアーツ&サイエンス学部を新設するなど教育領域を拡大しており、さらにMBAコースにおいては会計、マーケティング、組織・人事といった専攻分野を配置するなど、経営管理分野を体系的に学ばせることを明確な方針とし、世界で最も歴史と信頼を誇るビジネススクール向けのグローバル認証AACSB(Association to Advance Collegiate Schools of Business)を取得しています。今回の日本企業向けインターンシッププログラムでは、こうした背景から、特にMBAコースの学生が参加することが想定されており、工学的なバックグラウンドと経営管理の素養を併せ持つ人材が中心になると考えています。


そのため短期的に人員規模の拡大を狙うのではなく、両国の質の高い人材交流を推進するための準備段階として、当面は具体的なプログラムのあり方・進め方をじっくりと検討してまいります。


具体的に進める段階では、ビザの取得から始まり滞在期間中の仕事内容、生活環境、コミュニケーション等の条件を、受け入れ企業側と学生双方の事情を勘案して最適化する必要があります。これは単なる一時的な人手不足への対応ではなく、双方にとって実質的なメリットをもたらすプログラム設計に相当の時間を割いていると言えます。


すでにトライアルの人選は進んでおり、年内早い段階でインターンシップを実施、その成果を企業・TIET双方で検証し、より良いプログラムの完成につなげることを考えています。そのうえで年内にはプログラム説明会を行い、関心を持つ企業を募り、TIET側と具体的なスケジューリングを進めてまいります。TIET側としては学期末の休暇期間を考慮し、毎年4月から6月の実施を希望しているため、年内に企業選定を終え、年明けから学生募集・人選・ビザ申請を開始し、4月からの実施に間に合わせる予定です。


従来のインターンシップが採用活動の一環としての「試用期間的」性格を持っていたのに対し、今回のプログラムでは実質的な貢献領域を特定し、具体的な成果を期待する内容を目指しています。これにより、受け入れ企業にとっては短期間ながら高度なスキルを持つインドの人材と協働することで従来にない刺激とインパクトを得られ、学生にとっても単なる短期滞在にとどまらず、日本企業での実務やプロジェクトへの参画を通じた成長機会となります。実際、学生からもこのような実質的経験を強く希望する声が多く寄せられています。


当面はインターンシップを中心とした展開となりますが、将来的には交換留学、教授陣の交流、さらには企業間での本格的な人材交流など、多様な可能性が広がっています。狙いは、質の高い人材交流をいかに計画的・持続的に推進できるかという点にあり、そのための準備を慎重に進めていく考えです。

 
 
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