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  • 執筆者の写真秋山 健一郎

みのり15周年:役割に基づく人事管理をお手伝いして15年


 

株式会社みのり経営研究所を創業してから今年の1月で15年が経過しました。組織経営の本来の姿である近代的な「役割に基づいた人事管理」を標榜し、人事制度作りや管理職研修のお手伝いを続けて参りました。多くの企業が相変わらず「年功を中心とした属人的な人事管理」を続けている中で、確実に近代的な経営を実現しようとしている経営者の方々が増えてきているのを実感しています。それこそが弊社が15年間存在し続けてきた理由なのではないかと考えています。特に最近の「働き方改革」の議論の高まりと今年から施行される「働き方改革関連法」もあり、興味を持って頂いた企業から様々なお手伝いの要請を頂いております。残念なのは忙しすぎて、このコラムを含めた情報発信に割く時間が減少していることです。具体的な制度作りや研修だけでなく、より多くの人に「役割に基づく人事管理」の基本的な考え方、利点を理解して頂くことが重要だと考えています。そのためにあらゆる機会をとらえて情報発信を心がけていきたいと思います。

振り返ってみると、15年間というのはあっという間でした。最初の数年は前職の延長線上で、大手のクライアントから比較的大型の案件のお手伝いをさせて頂きました。先端的で既に役割に基づく人事制度を導入あるいは検討している企業が、仕事そのもののやり方を、属人的なものから「役割」に基づいたやり方に変えて行くお手伝いでした。多くの管理職が部下の「態度・能力」といった属人的な要素で評価しようとする傾向があるのを、仕事の中身で評価することに変えて行くのが中心でした。

このような案件を手掛けているときに、「ダイバーシティ・マネジメント」の重要性が叫ばれるようになり、我々が標榜している「役割に基づく人事管理」の考え方に興味を持って頂いた企業から、ダイバーシティ・マネジメント研修の引き合いを頂き、協力させて頂くことになりました。性別あるいは年齢のような属人的な要素による評価でなく、どのような社員であれ仕事の中身で評価するということが、ダイバーシティ・マネジメントの根幹です。まさに企業の人事管理が役割に基づいていなければ進まない変革です。

この考え方が浸透していく過程で、5年ほど前から働き方改革の必要性が叫ばれるようになりました。人口構成の変化に基づく生産年齢人口の減少への対応が政策的な主目的のようですが、様々な多様性を持った社員が、自分に合った働き方を選択し、思う存分力を発揮できる組織にすることは、日本企業の近代化には必須の要件です。「働き方改革」の根幹は「役割に基づく人事管理」の一言に尽きます。あるべき「働き方」を押し付けるのではなく、一人一人の社員が思う存分力を発揮し、その結果が評価される仕組みが求められていると言えます。それが結果として企業の業績向上につながるというのが、近代的な経営のあるべき姿です。

その時々新しい概念に基づく新しい対応へのお手伝いを求められ、気がつけば15年が経ってしまいました。しかし我々の中では一貫して「役割に基づく人事管理」を日本の企業に導入・定着させることを目的として来ています。

「役割に基づく人事管理」は、役割を定義することから出発します。役割定義は経営戦略の根幹をなすとも言えます。組織を作ることは役割を定義することでもあり、社員に期待する仕事を明示することを意味します。どのような仕事をすれば社員は評価されるのかを明示することとも言えます。経営の目的は、まさにそれぞれの社員の仕事の集積としての会社の業績を向上させることであり、結果として目指す理念を達成することにあります。「こういう働き方をしろ」と押し付けるのはその対極にある前近代的な経営と言えます。日本の企業に働く人が、仕事からの充実感を味わいつつ、会社の発展に貢献出来るように、これからも愚直にこの道一筋に走り続けたいと考えています。ご支援頂いている企業の方々に改めてお礼申し上げます。


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